管理栄養士の想い
食べることの喜びを、子どもたちへ

あけぼの保育園の給食は、すべて園内の厨房で調理を行う「直営運営方式」を採用しています。食材の選定から調理までを園内で行うことで、安心・安全で温かみのある給食とおやつを毎日提供しています。行事や季節に合わせて旬の食材を取り入れ、春夏秋冬それぞれの味を通して、子どもたちが自然と“食べる楽しさ”や“季節を感じる心”を育めるよう工夫しています。
直営運営方式の一番の強みは、子ども一人ひとりに合わせて柔軟に対応できることです。園には離乳食を食べる子どもや、年齢・クラスによって食べる量や好みが異なる子どもがいます。給食の時間には、実際に子どもたちの様子を見ながら、「この味付けは食べやすかったかな?」「もう少し小さく切ったほうがよかったかな?」と細かく調整しています。こうした日々の工夫の積み重ねが、子どもたちにとって満足度の高い食事づくりにつながっています。
私は大学卒業後、航空会社の機内食づくりに携わり、食の安全や品質管理の重要さを学びました。その後は病院で栄養指導や給食管理に携わり、日々の食事が人の健康を支えていることを実感しました。食習慣は大人になってから変えるのは難しいため、幼少期からの“食の学び”が大切だと強く感じています。
食事は、五感を刺激し、心と体の成⾧を支える大切な時間です。だからこそ、幼児期から“食を楽しむ心”と“よい食習慣”を育むことを意識し、子どもたちが「おいしいね!」と笑顔になれる給食を目指して、これからも心をこめて作っていきます。


給食室のこだわり
1安全・安心の給食
あけぼの保育園の給食・おやつは、レトルト食品や調理済み食品、菓子類を一切使わず、すべて手作りで提供しています。管理栄養士、栄養士、調理員がチームとなり、子どもたち一人ひとりの健康と成⾧を考えて日々調理しています。
乳幼児期は身体や脳、心の発達が著しい時期。この時期の食事は、成⾧の基盤を作る大切なものです。給食室から漂う調理の香りや色、食材の手触りなど、五感を通して子どもたちの食への興味や関心を引き出すことも、手作りならではの魅力です。
また、アレルギーを持つ子どもにも配慮し、それぞれの食材や調理方法を丁寧に調整。全員が安心して食べられる環境を整えることも、私たちがこだわり続ける理由のひとつです。

ご飯、和風ハンバーグ、きゅうりとツナの酢の物、大根の味噌汁

タコライス、スパゲティーサラダ、コンソメスープ、果物

コーンパン

スノーボール
2園で育てた旬の食材
園の農園を活用し、じゃがいも、大根、ピーマン、ナス、トマトなど、季節に応じた野菜の栽培・収穫を行っています。子どもたちは、土に触れ、苗を植え、水やりや草取りをしながら、野菜が育つ過程を間近で体験できます。こうした活動を通して、子どもたちは食べ物が自然の恵みからできていることを実感し、「食べ物も生きている」ということを学ぶきっかけになります。
また、自分たちで育てた野菜が給食やおやつに使われる喜びは、食への興味や感謝の気持ちを育む貴重な経験です。収穫体験は単に楽しいだけでなく、季節や自然の変化に目を向けるきっかけにもなります。春の芽吹き、夏の成⾧、秋の収穫、冬の準備と、四季折々の変化を感じながら、子どもたちは自然との関わりを深め、食べることの大切さや喜びを日々の生活の中で学んでいます。


3楽しく学ぶ食育
園で育てた野菜や食材を給食に使うだけでなく、子どもたち自身が調理に参加するクッキング保育も行っています。クッキング保育は2歳児クラスからスタートし、年齢や成⾧に合わせてテーマや作業を工夫。年齢が上がると包丁やホットプレートも使って、少し難しい調理にも挑戦します。
材料の準備までは給食室で行い、その後の混ぜる、味付け、形を作る作業は子どもたちの手で行います。自分で作ることで「できた!」という達成感が生まれ、普段苦手な食材にも挑戦するきっかけになります。調理を通して、順番を守ることや友だちと協力することも自然に学べます。
クッキング保育は、食材の香りや色、手ざわりの変化を楽しみながら、食べ物への興味や理解を深める時間でもあります。自分で作ったものを味わうことで、食べることの楽しさを感じられる時間になっています。

ピーマンの肉詰め

ホットプレートクッキング:焼きそば

包丁の正しい使い方

お箸の正しい持ち方
クッキング活動内容一例
ポテトサラダ、カレー、ナポリタン、かぼちゃのマドレーヌ、スイートポテトクッキー、パンケーキ、ハンバーガー等

