毎年この季節になると聞こえてくるワードがあります。
「学級閉鎖」。
学校が感染拡大を防ぐために、クラス全体をお休みにするアレですね。
ところが、同じ地域で同じ子どもを預かっているにもかかわらず――
認定こども園や保育園は“学級閉鎖ができない”という、ちょっと不思議な制度になっています。
え?
年長児はほぼ「学校の就学前クラス」みたいなものなのに?
と思われる保護者の方も多いはずです。
では、なぜ学校は学級閉鎖ができて、認定こども園はできないのか?
今日はこの話を、なるべくわかりやすく、お伝えしてみたいと思います。
■ 認定こども園は「学校のようで学校じゃない」
まず、幼稚園は立派な「学校」でした。
学校教育法にもとづく、れっきとした“教育機関”。
一方、認定こども園はというと……
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教育する施設(幼稚園的要素)
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保育する施設(保育所的要素)
この二つを合体させた、ハイブリッド型福祉施設。
つまり、年長さんがどんなに“学校みたい”な生活をしていても、法律上は学校ではない。
この時点で、制度がややこしくなる未来は見えていましたよね。
■ 「学校じゃない=学校保健安全法が使えない」
学級閉鎖の根拠は、学校保健安全法という法律です。
そのため、この法律が適用されるのは「学校」だけ。
こども園は福祉施設なので、学級閉鎖という“必殺技”が使えないわけです。
■ なのに「インフルエンザ出席停止」はできる謎
ここでさらにややこしい話が出てきます。
実は、こども園でもインフルエンザに罹ったら出席停止!
これはできます。
「え、法律使えないのに?」という矛盾のツッコミ、正しいです。
でもこれは、
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厚労省の通知
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児童福祉法の“健康保持の義務”
これらを組み合わせて、
“学校と同等の対応をしてください”
という国のメッセージに従っているからです。
……まるで「ハイブリッド車の説明を受けてる気分」ですね。
■ 学級閉鎖だけはなぜダメなの?
理由は意外とシンプル。
➤ こども園は「地域の生活を支えるインフラ」だから
保護者に働いてもらうために預かる、という役割があるため、
国の考え方としては「閉鎖なんてされたら困るでしょ?社会が止まっちゃうでしょ?」
というスタンス。
……いやいや、
感染爆発したらもっと困るんですが、という現場の声はしばしば空に吸い込まれていきます。
■ というわけで前編、ここまで!
ちょっと長くなってきましたので、いったん休憩です。
書いている本人も「これは後編に続けないとスッキリ終われないな……」と感じています(笑)


